空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
突然由依が、ダッと走り出した。
あたしを置いて、教室の方へと走って行く。
あたしはヘタリと、その場に座り込んでしまった。
もう、頭の中がグルグル回って、目まいがしそう。
こんなことになるなんて。
どうして、こんなことになってしまったの?
あたしは、あの頃のままでいられれば良かっただけなのに。
ずっとそうして、過ごしていきたかっただけなのに。
どうして・・・・・・どうして・・・・・・
しばらくそうしてヘタリ込んでいて、ハッと気が付いた。
由依・・・ひょっとして、祐輔に怒鳴り込むつもりじゃ?
由依はエカテリーナ大森に対しても、一歩も引かない度胸の持ち主だ。
祐輔相手にだって、きっと容赦しないだろう。
すごく友だち思いの由依のことだし。
思い切り、言葉の限りに祐輔を責めたてるだろう。
勢いあまって、まさか殴りかかったりとか・・・・・・。
由依ならありえる!
あたしは慌てて立ち上がり、由依の後を追った。
待って由依! 待って!
あたしと祐輔の仲が、こじれてしまうのは仕方ないけれど!
由依まで、祐輔とトラブルになってしまう必要はないよ!