空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

教室に近づくと、ふたりの言い争う声が聞こえてきた。


あぁ! やっぱりケンカになってる!


しかもすごい大声!


ふたりとも、かなり頭に血がのぼってるみたい!



あたしは入り口に立った。


そして、ふたりが向かい合って怒鳴り散らしているのを見る。


その剣幕に、思わずたじろいでしまった。



「佳那に指輪を返して!」

「返すわけには、いかねえんだよ!」

「なんでよ!?」

「それが佳那のためだからだ!」



ふたりとも真っ赤になって、ほとんど叫び声に近かった。


由依は歯をむく様に、祐輔に向かって怒鳴り散らす。



「佳那のため!? 嘘ばっかり! 自分のためでしょ!?」


「なに言ってんだよ!?」


「佳那が好きだからでしょ!? 佳那を、自分のものにしたいだけでしょ!?」


「お前には関係ねえだろ!」


「ある! 佳那は友だちだもの!」



由依は祐輔をギリッと睨み付け、なおも責めたてた。



「ひきょう者! 嫌がる佳那に、無理やりキスするなんて!」


「お前に関係ねえよ!」


「ある! 男のくせに、自分の想いも抑えられないの!?」


「お前になにが分かるんだよ!?」


「分かる!」

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