空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
―― ガタ・・・
ヨロけた拍子に、あたしは扉にぶつかった。
その音に由依と祐輔が、同時にこっちを振り返る。
あたしは由依と、目が合った。
あたしたちは、たぶん、同じ表情をしていたと思う。
ふたり共、いま一番・・・・・・
一番、会ってはいけない相手と、会ってしまった。
少なくとも、由依はそんな目をしていた。
「あ・・・・・・」
由依が、両手で口元を抑えた。
飛び出してしまった言葉を、取り戻そうとするように。
怖いものを見るような目。
その目から、新しい涙があふれ出た。
涙を隠すように由依は顔を手で覆って、すすり泣き始める。
そして・・・・・・
「うっ・・・うっ・・・わあぁ!」
ついに泣き声をあげて由依は、駆け出した。
学級旗を広げていた机にガタッとぶつかり、転びそうになる。
その勢いで、旗の上の筆洗い用バケツが倒れた。
中の汚れ水が、旗の上にバシャリと全部こぼれる。
そのまま由依は、教室から飛び出していった。
「うわあぁぁーーー!」
「相坂!? おい!」