空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
差し伸べられた日
次の日から、由依は登校しなくなった。
風邪で熱を出したってことになっているけれど・・・
たぶんそうではないことを、あたしは誰より知っていた。
そしてあたしは、ダメになってしまった学級旗のことで、クラス中から責められた。
「奥村さん、これ、どうするの?」
エカテリーナ大森が、先陣切って責めてくる。
学級旗の〆切はすぐなのに、これじゃとても間に合わないのは明白だった。
「学級旗は奥村さんの仕事だよね?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ちゃんと責任とってくれるんでしょ?」
冷たい口調で、汚れた学級旗を突き付けられた。
なにを言われても、無言で黙り込むしかない。
今までクラスに溶け込もうとしなかったあたしに、由依以外の味方はいなかった。
祐輔が「佳那のせいじゃない」って庇ってくれたけれど。
逆にそれが、火に油を注いでしまった。
あたしは、陰でエカテリーナとそのグループにネチネチとイビられた。
「自分で引き受けた仕事でしょ?」
「だったら最後まで、自分ひとりの力でやってよね」
「祐輔に手伝わせようなんて、考えないで」
「祐輔と仲良いからって、いい気になってない?」