空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
絵を見るたびに、由依の笑顔がチラつく。
胸が掻きむしられるように痛んだ。
絵を描こうとすると、罪悪感で胸が詰まって苦しくて・・・。
ごめんね。ごめん。由依。
由依、今頃どんな思いをしているだろう。
どんなに、辛い涙を流しているだろう。
絵を前にして、あたしもただ、泣くばかりだった。
そして、さらに状況は悪化していく。
由依が学校を休んでいる原因が、どうやら奥村にあるらしい・・・、と。
そんなウワサが、どこからか静かに広まっていた。
あたしが、由依の祐輔への恋を踏みにじった。
由依の想いを知りながら裏切って、祐輔に近づいた。
そんな風にクラスに浸透している。
正確な話じゃないけど、ウソとも言い切れない。
あたしが、由依の友情を踏みにじったのは事実だし。
弁解できずに沈黙するばかりだった。
そして無言でいることは、認めているのと同じこと。
『反論しないってことは、やっぱり本当なんだよ』
『奥村さんって、ヒドイよね』
『信じられない』
『親友を裏切るなんて、最低』
ヒソヒソと耳に聞こえてくる言葉は、そんな言葉ばかりだった。