空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

机にポツンと座り、冷たい視線に耐える。


教室のざわめきの中で、あたしひとりが異質だった。


世界から、あたしは拒絶されている。


孤独だった。


孤独で、孤独で、孤独で、たまらなかった。



「奥村さん」


エカテリーナ大森が、あたしの席の前に立った。


見上げる顔は、いつも以上に厳しい。


「ちょっと付き合ってくれる? 話があるの」



なにを言われるのか、だいたい予想はついたけれど。


あたしはおとなしく従った。


どんな責めからも、あたしは逃げちゃいけないんだ。


全部、受けなきゃいけないんだ。



エカテリーナのグループに囲まれて、教室を出て行く。


他の女子たちが、そんなあたしをじっと見つめていた。



みんなそろって無言で廊下をずっと歩いていく。


一般教室から離れた、特別教室の棟に連れて行かれた。


その先の、女子トイレ。


ほとんど人の来ない、通称『説教部屋』


その中に連れ込まれ、あたしは取り囲まれていた。

< 177 / 244 >

この作品をシェア

pagetop