空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
エカテリーナは、まさに君臨する女帝の貫録で、あたしに宣告する。
「あたし、友情を踏みにじる女だけは、絶対に許せないの」
「・・・・・・・・・・・・」
「相坂さんは、ひとりぼっちのあんたに、あんなに優しくしてたのに」
「・・・・・・・・・・・・」
「なのに、その相坂さんを裏切ったんだ? あんた、いい根性してるよね?」
エカテリーナの言葉に、本気の怒りが込められている。
周りのみんなも、それに引っ張られるように、次々と責め出した。
「恩をアダで返すって、知らないの?」
「どういう神経してんの?」
「頭の中、男のことしか無いんじゃない?」
「ほんとに最低。あんたって女のクズ」
言いながら、自分たちの言葉に興奮している。
グループの怒りの度合いが、どんどん増していくのが感じられた。
それでもあたしは、何も言い返さない。
言い返せない。
そんな権利、あたしには、無い。
「黙ってないで、なんとか言ったら!?」
ドンッと勢いよく突き飛ばされた。
後頭部が、壁にガンッと当って鈍い音がする。
痛みに顔を歪めて、痺れをこらえた。