空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「友だちから、連絡がきたの。エカテリーナたちの様子がヤバイって」
「連絡? 由依に?」
「だから急いでタクシー呼んで、飛んできたの」
由依の友だちが・・・・・・。
わざわざ、あたしの危機を由依に知らせてくれた?
あたし、クラスでひとりぼっちで孤立していると思ってたのに。
心配してくれてた人が、いたんだ。
「ちょっとエカテリーナ! なに勘違いして、勝手に暴走してんの!?」
真っ赤な顔で、由依は怒鳴った。
エカテリーナは、パジャマ姿の由依に、完全に毒気を抜かれたらしい。
あたし同様、目をパチパチさせてポカンとしている。
「だ、だって、あ、相坂さんが・・・」
「あたしがなによ!?」
「奥村さんに、裏切られて・・・」
「裏切りも、みじん切りもない! それ、エカテリーナの勘違いよ!」
「だって、ウワサが・・・」
「そんなデタラメ信じたの!? まったく、エカテリーナのくせして!」
「デタラメ・・・?」
「佳那は裏切ってなんか、ないの! だからエカテリーナが余計なことする理由なんか、無いの!」
エカテリーナは、大きく口を開けて、キョトンとしている。
そしてポツンと
「エカテリーナ・・・・・・って・・・だれ?」
って、小さくつぶやいた。