空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
由依はゲホゲホと激しく咳き込む。
そして、ゼエゼエと息を吐いた。
「もおぉ! こっちはずっと四十度の熱が下がんなくて、大変だったってのに!」
「熱? 由依、熱があるの?」
そういえば、さっきからずっと顔が赤い。
ジットリと汗ばんでいて、顔色もあんまり良くないみたい。
興奮しているせいじゃなくて、それ、発熱のせい?
「連絡いってたでしょ? だから学校、来れなかったんだよ」
「まさか本当に、風邪ひいてたの?」
「当然でしょ? 他に何の理由で休むのよ?」
「だって・・・・・・」
「まさか祐輔に失恋したからって? ・・・ちょっと佳那、冗談でしょ?」
由依は、赤い顔でニヤリと笑った。
「あたしが男に振られたぐらいで、学校休むような、ヤワな根性の持ち主だと思う?」
思わ・・・・・・
ない。
けど。
それは、確かに思わない、けど。