空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
でも由依が傷ついた原因は、失恋じゃない。
あたしがこれまで由依にしてきた、残酷な仕打ちが・・・・・・。
「とにかく!」
由依がビシッ! と右手の人さし指を、真っ直ぐエカテリーナへ向けた。
「あたしと佳那の間には、なんの問題もないんだから!」
ツカツカと足早に、こっちに向かって歩いてくる。
「だからもう、余計なマネは・・・!」
そして、そのまま・・・・・・
ふらぁ・・・っと前のめりになってしまった!
「きゃあぁ!? 由依!」
「あ、相坂さんっ!?」
あたしとエカテリーナたちが、倒れる体を慌てて抱き止めた。
「うわ! 体、熱っ!」
「ちょっと! まだ熱が全然下がってないんじゃないの!?」
「こんな体で、なに学校来てんの! この人は!」
「しかもパジャマで!」
「と、とにかく、早く横にさせないと!」
「トイレの床に!?」
「それはヤメて!」
思いもよらず、あたしたちは全員、一致協力。
大急ぎで、由依をトイレから運び出した。