空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「とりあえず保健室に!」
グッタリして息の荒い由依を、なんとか保健室まで運び込む。
「先生、大変です・・・って、なんで誰もいないの!?」
「とにかくベッドに寝かせよう!」
由依をベッドに寝かせて、あたしたちはハァッと大きく息を吐いた。
由依は真っ赤な顔で、苦しそうにゼイゼイしている。
「由依、大丈夫!? しっかりして!」
「大・・・丈夫・・・だよ・・・」
「先生ってば、この大変な時に、いったいどこにいるんだろう!?」
「奥村さん! 相坂さんのこと見てて! あたしたち、先生探してくるから!」
エカテリーナがキリッとした顔で言った。
仲間のそれぞれに
「あんたは職員室! あんたは体育館! あんたは校庭!」
と、探索場所をテキパキ割り振る。
そして「さぁ行くよ!」とグループを連れて、保健室を飛び出していった。
・・・・・・すごいリーダーシップ。
さすがエカテリーナの名はダテじゃない。
勝手にあたしがつけたアダ名だけど。
「佳那・・・・・・」
ベッドに横たわりながら、由依が話しかけてきた。