空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
自分で自分が嫌になる。
ほら、今もこうして、何も言えないでいる。
由依を前にして、うつむきながら、モジモジと指を動かすだけだ。
ほんとに・・・もう・・・・・・。
「佳那、ごめんね」
いきなり由依があたしに謝ってきた。
ビックリして指の動きを止め、顔を上げる。
由依は、悲しそうな顔であたしを見上げていた。
あたしはわけが分からず混乱してしまう。
な、なんで由依があたしに謝るの?
「謝らなきゃならないのは、あたしの方だよ?」
「? なんで佳那が、あたしに謝るの?」
「え? だ、だって・・・」
不思議そうに由依に聞かれて、ますます混乱した。
なんでって、だってそれは当然でしょ?
「あたし、祐輔のこと、色々と由依に・・・」
「佳那は悪くないでしょ? だって佳那は知らなかったんだから」
「それは知らなかったけど、でも・・・」
「あたし、佳那に話さなかったもん。聞いてなきゃ、知りようがないじゃない」
あたしは面食らってしまった。
そ、それは確かに、理屈ではあるけど。
いやでも、だからって・・・・・・。