空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「佳那! 大変だよ! たったいま大樹が保健室に・・・!」
「えっ!?」
そんな! よりによって、あたしがトイレに行ってた一瞬の隙に具合が悪くなるなんて!
あぁ、ほんの少しも油断できない! これからは大樹も同伴で女子トイレだ!
あたしは四階の教室から一階の保健室までダッシュで駆け下り、様子を見に行った。
大樹は保健室の真っ白な布団の中でグッタリと横たわっている。
「大樹、大丈夫? だからクラス展示の手伝いなんかするなって言ったのに」
「心配かけてゴメン、佳那。でもやりたかったんだ」
授業参観が近くて、展示物の作成のためにクラスは最近ずっと忙しかった。
強引に参加した手伝いのせいで、きっと体に負担がかかってしまったんだ。
行事に参加できない事を大樹はいつもすごく悔しがっていたから。
つまらないとか、そんな理由じゃない。
仲間の為になんの力にもなれない自分が悔しいんだって、口癖のように言っていた。