空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
佳那のとなりにいたかった。
それはつまり、祐輔のとなりにいるってこと。
その居場所が、欲しかったの。
その居場所で、佳那のマネをしようとした。
佳那みたいになれば、祐輔に好きになってもらえるかも。
そうすれば、いつかは佳那じゃなく、あたしのことを見てもらえるかもって。
でも。
すぐに気が付いた。
佳那と祐輔の、不思議な関係に。
ふたりの間には、誰にも入り込めない、『何か』があった。
ものすごく強くて、固い、不思議な何かが。
そして佳那は、祐輔じゃなくて・・・
その『何か』を見ていた。
いつもいつも。
大切なものを温めるように、胸元に手を当てて。
とても幸せそうに、微笑んでいる。
遠い目をして、いつも『何か』に語りかけている。
とても優しく、愛おしそうな表情で。
・・・・・・不思議だった。
何に語りかけているんだろう?
何をそんなに、愛しく思っているんだろう?
目には見えないものを、そんなにも。