空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
佳那を守らなきゃ。
だってあたしは、自分で決めたんだから。
佳那が救いを求めて、振り向いたとき、そこに・・・
そこにきっと、立っていようと。
そして、この手を差し伸べようと。
「間に合って良かった」
「由依・・・・・・」
由依。きっと今でも・・・・・・
由依は、祐輔のことが好きだと思う。
人を好きな気持ちは、そんな簡単に消せるもんじゃないから。
だからきっと、心の中は複雑だと思う。
辛いだろうし、苦しいだろうし、悲しんでもいるだろう。
恋をするって、そういうことだ。
それでも由依は・・・・・・
「ねぇ、佳那」
クルリとこっちに向き直り、由依はあたしを見上げた。
不安そうな目で、あたしを真剣に見上げる。
「こんな、みっともないあたしだけど・・・まだ、友だちでいてくれる?」
「・・・・・・・・・・・・」
「あたし、佳那のとなりにいたいんだ」
それでも・・・。
それでも、あたしを助けに来てくれた。
あたしの隣に、いたいと言う。
祐輔のとなりじゃなく、あたしの隣にいたいんだ、と。