空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
あたしはもう、さっきからグジュグジュだった。
目の下と、鼻の下を、何度もこすりながら泣きっぱなし。
あたしは、今まで由依のことを、見ようともしていなかった。
由依の気持ちに、気付こうともしていなかった。
なのにこんなあたしを、由依は・・・。
「あたし、佳那のことが好きだよ」
ウエストのズリ下がったパジャマ。
ボサボサの髪。
熱で真っ赤な、汗だらけの顔。
・・・・・・さんざんだ。
さんざんで、最悪で、悲惨だよ。
こんな悲惨な姿で、夢中で駆けつけてくれた由依を・・・
差し伸べてくれる、この手を・・・・・・
どうして、取らずにいられるだろう!
「由依!」
あたしは、由依の手をしっかりと握った。
「あたしも由依のことが大好きだよ!」
熱のせいで、由依の手はとても熱かった。
熱いその手を、あたしは自分のオデコにギュッと押し当てる。
祈るように。
由依の熱さを、自分の中に取り込むように。