空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

由依は笑ってくれた。


あたしの言葉を聞いて、この上なく、嬉しそうに笑ってくれた。


その笑顔が、たまらないよ。


由依の笑顔が、握る手の熱さが、あたしの胸をいっぱいにさせるんだ。



ドクドクと脈打つ胸に


張り裂けそうなほど、あふれてくる。


あふれたものが、涙になって流れてくる。


次から次へ、ポロポロと。



それでも足りない。


涙だけじゃ、とても足りないんだ。


言葉があふれてくる。


あたしの中の素直な気持ちが、口から飛び出してくる。



「由依、ありがとう! 大好きだよ由依!」



キュッと握り返される、手の力。


その確かな感覚を、あたしは間違いなく感じていた。


そして由依の熱さにも負けないほど、あたしの心も熱かった。



ありがとう。ありがとう。


本当に大好きだよ、由依。


どうかこれからも、友だちでいさせて。


由依のこと、大好きでいさせてね。


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