空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
そして、その日の放課後。
あたしは、さらに意外な現象を目にすることになった。
クラスのみんなが、教室の一か所に集まってる。
その中心に・・・・・・
新しいまっさらな学級旗が、用意されていた。
「これって・・・?」
「〆切まで、もう時間が無いでしょ?」
「大森さん・・・」
「みんなで、サッサと作っちゃおうってことになったの」
エカテリーナが、絵の具片手にそう言った。
「なんかさ、あたし、奥村さんに余計なことしちゃったみたいだし」
「・・・・・・・・・・・・」
「オトシマエってやつよ。さあホラみんな、手ぇ出して!」
クラス全員の手形。
それぞれが好きな色で、旗に次々と手形を押していく。
手の平に筆で色を塗り合って、くすぐったさに笑ったり。
両手を絵の具まみれにして、友だちの背中を追い回したり。
みんなギャアギャア大騒ぎ。
「でもこれって、奥村の下描きと違うだろ? 担任になんか言われね?」
「いーじゃん別に。あたしらの学級旗なんだし」
「そーそー。苦情は受け付けませーん」