空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
そして、次の日。
なんと見事に、約束通りに由依が復帰してきた。
意地と根性で風邪をねじ伏せたらしい。
さすがは由依! 並みの女の子じゃない!
さっそく由依の手形も旗に押された。
祐輔と、あたしのとなりの場所に。
「完成ー!」
「おー、〆切に間に合ったなー!」
「教室の後ろに掛けて乾かそう」
あたしと、由依と、祐輔。
並んで旗を見上げた。
やっぱり、あたしの胸はいっぱいになって。
またまた泣きそうになってしまって、困ってしまった。
だから、ほんのひと言を口に出すだけで、もう精一杯。
それでも泣いちゃう前に、言葉にできて良かった。
『みんな、ありがとう・・・』 って。
担任は、ぜんぜん学級旗に文句はつけなかった。
教室の後ろの旗を見て、次にあたしを見て。
そして次に、クラス全員の顔を見た。
そして・・・・・・
「すげえ。お前ら最高だな」
そう言って、笑った。