空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
桜咲き、散り逝く日
「由依、ホントにもう大丈夫?」
「うん、あの時いっぱい汗かいたでしょ? おかげで熱が下がったみたい」
あたしは由依と向かい合い、一緒にお弁当を食べていた。
由依が休んでいる間は、食べ物がぜんぜんノドを通らなくて。
お母さんには申し訳ないけど、毎日ずっと残してた。
今こうして、ごく普通にお弁当を食べることができる。
・・・ありがたいなー。
なんだか、しみじみ実感する。
実は普通って、ぜんぜん『普通』じゃないんだね。
ありがたいことなんだなぁ。すっごく。
「おい、佳那」
とつぜん祐輔が話しかけて来た。
あたしはドキッとして、ご飯を噛まずにゴクンと飲み込んでしまう。
うぉわっ! 食道に詰まったー!
「ううぅぅーーー!」
「か、佳那、大丈夫!?」
「お前、噛んでから飲めよ! 噛んでから!」
ジュースを大量に流し込み、なんとかご飯がノドを通過。
あたしがふぅっと息を吐くのを見て、由依と祐輔も安心したように息を吐いた。