空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
風に乗り、桜の花びらが舞い散っていく。
薄紅の雨のように。
目を見張るほどの花が、散る。
この世に生まれ、生きて、散って行く。
この光景を、目を凝らして、この瞳に焼き付けよう。
記憶に留めていよう。
いつか・・・・・・
桜を、美しいと思える日が来るまで。
あの憎しみの象徴だった桜の花を、美しいと思える日まで。
苦しみながら、泣きながら、生きていこう。
生きていくんだ。あたしはきっと。
あたしは、心の中でそう決意していた。
逝ってしまった命を偲ぶ、この庭で。
今まさに散って行く桜の紅を、心に深く刻みながら。
生きているあたしは、ただ、そう決意をして泣いていた・・・・・・。