空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
突然を知る日
「良かったね、佳那。大樹くんのお母さんに会えて」
「うん。お母さんの前であたし、ワンワン泣いちゃったけどね」
次の日の朝。
あたしは教室で由依に、昨日のことを全部話した。
本当に、みっともないくらい大泣きしちゃったなぁ。
でも、そこから一歩、踏み出せそうな気がしているんだ。
とは言っても・・・
まだその踏み出した足で、どこへ向かえばいいのか分からないけど。
なにしろ止まっていた時間が長かったから。
祐輔との関係のことも含めて、これからどうすればいいのか。
具体的に、どうしよう、そうしよう、なんて考えはまったく浮かんでこない。
「ねぇ由依、立派に負けずに生きていくって、どうすればいいのかな?」
「別そんな、やたら肩に力を入れる必要なんか無いって」
由依が、そう言って笑った。
「普通にさ、生きていればいいんじゃない? あたしと一緒に毎日を」
両肩をクイクイと回し、あたしに向かってニコッと微笑む。
その由依の仕草と笑顔が、いい意味で気を抜けさせてくれた。
うん、そだね。由依の言う通りだよね。
やたら生真面目に思いつめる必要なんか、無いよね。