空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
大事なのは、そういうことじゃないと思う。
由依や、祐輔や、周りのみんな。
そういった大事な存在を認めながら、今は生きていけばいいのかな?
「あれ? ねぇ佳那、そういえば祐輔はどうしたの?」
「それがさー! 祐輔ってば結局、すっぽかしたんだよ!」
あたしは机をバシッと叩いて、憤慨した。
あのあと大樹のお母さんと別れてから、あたしはずーっと祐輔を待っていた。
なのに、いつまで待っても来なかった!
いくら電話かけても通じないし、もう信じられない!
よりによって大樹のお墓参りをすっぽかすなんて!
「そういえば、まだ学校に来てないね。風邪でもひいたのかな?」
ついこの間まで発熱で寝込んでいた由依は、ちょっと心配そうに首を傾げる。
でもあたしは鼻で笑ってやった。
風邪ぇ?
祐輔に感染するような、そんな根性のある風邪菌が存在するもんか。
「食べ過ぎて、お腹壊してるってんなら分かるけど!」
「佳那ってば容赦ないねー」
「当然。だってあたし怒ってるもん」
他のことならまだしも、大樹のお墓参りをすっぽかすことだけは、ぜったい許さん!
祐輔ぇ~~! さっさと来ぉぉい!
覚悟しろよぉぉ~~!
どんな言い訳しようと、聞く耳もたないからね! あたしは!