空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
・・・・・・え?
祐輔が、なに? なんだって?
さっきまでのザワつきが嘘みたいに、全ての音が消え去った。
クラス全員の視線が、担任に集中している。
あたしも穴が開きそうになるほど、担任の顔を見た。
「オヤジさんがな、県外に転勤になったそうだ」
なんとも気まずそうな表情。言いにくそうな声。
「誰にも言わないでくれって、頼み込まれてたんだよ。だから今日の報告になった」
みんな、気味が悪いほど静まり返っている。
担任の声が信じられないほど、大きく聞こえる気がする。
「みんなによろしく・・・だとさ」
・・・・・・・・・・・・。
そんなバカな。
たぶん、クラス全員がそう思っている。
担任に集中していたみんなの視線が、ギクシャクとあたしに移動した。
全ての目が、あたしに問いかけている。
嘘だよね? って。
そして、あたしの・・・
目も口も、極限まで開いて硬直した様子を見て、みんなの表情も変わった。
そして次の瞬間、教室中に悲鳴が響いた。