空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

指輪をギュッと握りしめ、強く両目を閉じた。


ハラハラと落ちる涙が手の甲を伝い、袖口を濡らしていく。


どんなに耐えようとしても


どんなに止めようとしても


涙と痛みは、止まってくれなかった。



「祐輔、行っちゃったよぉ・・・・・・」



ずっとあたしのそばにいてくれた。


自分がどんなに辛くても、決してあたしを見捨てなかった。


そして最後に、秘めていた思いを告げて行ってしまった。



今、分かった。


祐輔は自分の想いに応えてもらうつもりなんか、無かったんだ。


あたしを守りたかっただけ。


あたしを傷つけても、そのせいで自分が嫌われても、恨まれることになっても。


それ、全部全部引き受けて・・・・・・


そのまま行ってしまったよぉ・・・・・・。



「おう、泣け泣け。いーーっぱい、泣け」


担任の明るい声が聞こえた。



「人生はな、涙と友だちなんだ。人間、泣きもしないで大きくなんか、なれないんだよ」


「知ってる・・・・・・」



それをあたしは知ったんだ。


生きているから、あたしは泣いている。
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