空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

だれも苦しまずには、生きていけない。


この心臓が潰されるような痛みは、生きているからこそ。


どんな痛みも受け入れるって覚悟した。


決して負けずに生きていくって。



「でも、やっぱり辛い・・・・・・」


「しかたないだろう? それが生きるってことなんだから」



なぜなんだろう? 


生きるって、なんでこんなに苦しいの?


どうしてみんな、笑顔だけでは生きていけないんだろう?


どんなに問いかけても、その答えは無い。だから人は、泣くしかないんだ。



「痛い。苦しいよ。悲しくて、たまらない・・・」


「おいおい。そんなもん、この先に山ほど待ち構えてるからな。それでもお前は・・・」



―― ポンッ


頭の上に、大きな手が乗った。


閉じていた目を開くと、顔の真ん前で担任が覗き込んでいる。


ヘラヘラと笑いながら。


でもその目は、あたしが息を飲むほど真剣だった。


「それでもお前は、生きていくってことを知っているんだよな?」

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