空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
窓の外には、桜が散っていた。
もうほとんど葉桜になってしまった桜が、緑色の葉を揺らしている。
それでも、最後の最後の一枚になるまで、桜は咲いていた。
身を削り、花びらの涙を流し。
ただ生きて、咲いている。
桜も、あたしも、由依も、祐輔も、だれも。
・・・みんなが。
あたしは、共に泣いてくれる由依と抱き合いながら泣き続ける。
去って行った者への、大きな気持ちを持て余しながら。
離れていった存在への、痛切な大切さを思い知りながら。
届くはずもない感謝の言葉を、それでも。
それでも前を向いて、あたしは心の中で、ずっと語りかけ続けていた・・・・・。