空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
空気が薄紅に染まるほど、今まさに満開の時期。
世間では、何分咲きだの、どこの公園が見頃を迎えただので大騒ぎ。
あたしも、この季節は特別な気持ちになる。
桜はあたしに、大きな影響を与えるものの象徴だから。
かつて、大樹が去って逝き。
そして、祐輔も去った。
そして今年は、由依が去っていった。
今年の春、あたしたちは高校を卒業して進学した。
あたしは地元の短大に。由依は県外の専門学校に。
あたしたちの進路は、別々になってしまったんだ。
それは当然のことだと、冷静に受け止めている。
そんな風に受け止められる分だけ、あたしは変われたんだと思う。
あの頃から比べれば。
離れても、あたしと由依が友だちであることに変わりない。
進む道が違っても、学校で毎日一緒に過ごすことができなくなっても。
今でも普通に連絡を取り合っているし。
距離なんて、友情に関係ないんだよね。
ただ・・・・・・
祐輔とは・・・あれから二度と連絡はとれなかったけれど。