空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「まさか、本当に会えるとはなあ。賭けみたいなつもりだったんだけど」
祐輔は大人びた笑顔で言った。
「会いたかった。佳那」
その言葉を聞いて、あたしは目を瞬かせた。
そして心の中で苦笑いをする。
あぁ、先を越されてしまったか。
あんたって人は、アッサリと言ってくれちゃって。
相変わらずだね。あんたはいつもあたしの一歩先を行く。
あの日、祐輔はそのまま行き過ぎてしまったけれど。
戻って来てくれたんだね。
「なあ、佳那」
「ん? なあに?」
「オレ、今でもお前が好きだ」
「・・・・・・!」
「たぶんこれ、永遠ってヤツだな」
祐輔は堂々と、恥ずかしげもなくそう言って、見惚れるほどの笑顔を見せた。
あたしは、もう、何を、どう言えばいいのか・・・。
あぁ、あんたって人は本当に、まったく。
本当に、本当に、まったく、もう・・・。
つられて一緒に笑顔になったあたしは、何も言えずに空を見上げる。
涙がこぼれてしまわないように。
透き通る青い色が、涙でにじんで見えた。
きっと今、あたしの涙は・・・空色に染まっているだろう。