空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
桜の花びらが一枚、風に乗って流れてきた。
そして、あたしの頬に乗る。
まるで涙の代わりのように。
もしも、仮に・・・
あたしが祐輔の気持ちを受け入れたなら?
あたしたちはこれから、どんな道を行くのだろう。
先の保証なんて、何ひとつ無い世界で。
苦しみ、喪失、涙、悲しみ。
あの日、未来に怯えたあたしは、祐輔を受け入れられなかった。
でも今、あの頃とは変わったあたしがここにいる。
怖くても、恐れずに前へ進むと誓った。
泣きながらでも生きることを誓った。
踏み出さなければならない。
前を向いて、この足で、初めの一歩を。
「祐輔・・・会いたかったよ」
あたしの心からの言葉を祐輔は、嬉しそうに笑って受け止めてくれた。
そしてあたしはその笑顔を、しっかりと受け止める。