空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
あとがき
読んで下さった皆さま。岩長 咲耶です。
この世界に最後までお付き合いくださって、本当にありがとうございます。
実はこの小説の登場人物には、モデルがいます。
大樹、そして佳那、大樹のお母さんも。
彼らが生きて過ごしていた日々を元に、私が物語として書き出しました。
完全な実話というわけではありませんが、大樹は私の中の忘れ得ぬ少年のひとりです。
彼が亡くなった知らせが届いた、あの頃。
季節は春でした。
桜が見事なまでに満開で。
その姿が、あまりにも美しくて。
彼の命が、あまりにも儚すぎて。
咲き誇る桜を心底恨めしく思いました。
ずいぶんと泣いたあの時の記憶が、今でも私の中に深く刻まれています。
この小説を書いた今、ようやく、ひとつの扉を開けて、閉めることができたような気がしています。
書いていて、辛く思うこともありましたけど。
それでも書きたかった。
書けた事が、嬉しいです。
時が過ぎ、こうしてあの頃を振り返り、思い出を取り出して。
思うこと、伝えたいことを書きました。
未熟ゆえに、伝えきれない部分も多いとは思います。
書きたかったことは、答えなんてどこにも無い事だし。
それでも、読んでくれた方々に、何かが伝わることを祈っています。
本当に、読んで下さってありがとうございます。
機会がありましたら、また岩長の作品でお目にかかれますように・・・。