空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

ふたりで笑いながら、破れたページを急いでセロハンテープで貼っつけた。


そしたら貼り方が悪くて、余計に汚くなってしまう。


「佳那、ぶきっちょだなー!」

「大樹の貼り方がヘタなんだってば!」


お互いに責任をなすりつけ合って、また大笑い。


ふと視線を感じて振り向くと、祐輔が教室のドアの所に立っている。


あたしと大樹を見ながら、優しく微笑んでいた。


そして軽く片手を上げて、そのまま向こうに行ってしまう。


大樹が学校を休んでいる間、毎日あたしをなぐさめてくれた祐輔。


きっと今日もなぐさめに来てくれたんだ。


本当にありがとう祐輔。

大樹、元気に戻って来たよ。

ありがとうね、祐輔。


あたしは大樹に視線を戻す。


目に映る全てが明るい。


大樹の笑顔はもちろん。黒板も、窓ガラスも、壁の時計も何もかも。


初めて見るみたいに、新鮮でキラキラ輝いて見える。


特別だ。


特別なんだ。


あたしは大樹の


大樹はあたしの


お互いにとって世界で一番の・・・・・・


そして、たったひとつの特別な存在になった。

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