空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「祐輔は?」
「外にジュース買いに行ったよ」
「そっか・・・・・・」
指先から感じる大樹の体温。
生きている温かさが嬉しい。
お互いに目を閉じ、柔らかな髪の感触を頬に感じる。
大樹の呼吸に合わせて、触れ合う肩が動く。
命を感じることができる。
とても幸せだなって、思った。
「佳那・・・・・・」
「ん・・・・・・」
「好きだよ・・・・・・」
目を閉じて聞く、大樹の声。
静かで優しい、穏やかな声。
満ち足りているんだね。大樹も。
ちゃんと伝わるよ。だからあたしも伝えたい。
「あたしも、好きだよ・・・・・・」
気持ちを伝える言葉を交わす。
その一瞬の後・・・・・・
あたしと大樹は見つめ合い、自然にキスをした。