空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「指輪って高いんだね。貯金、使い切っちゃったよ」
「オレの協力にも感謝しろよ? オレがネットで購入してやったんだからな?」
「分かってるよ祐輔。ありがとう」
あたしは口を開けたまま、キョロキョロ交互に男ふたりの顔を見た。
そして、また指輪に視線を戻す。
赤いガーネットの指輪。
金色の細いリングに、小さな可愛い丸い宝石が嵌め込まれている。
・・・・・・まだ事情がよく飲み込めない。
言葉も無く、目の前のキレイな指輪をポカンとして見ているだけ。
「これ、佳那にプロポーズするために買ったんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「結婚したら、ボクたちはもうずっと一緒だよ。どんなに離れていても」
「・・・・・・・・・・・・」
「この指輪が、いつもボクたちを繋いでくれる。もうなんの心配もいらないよ」
大樹の言葉を聞いているうちに、指輪の赤い色がどんどん涙でにじんできた。
大樹は・・・・・・あたしのために・・・・・・。
あたしの不安を無くす方法を、必死に考えてくれた・・・・・・。
自分の手術の前だっていうのに・・・・・・。
「佳那。ボクと結婚してくれますか?」