空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「あー良かった安心した! 断られたらどうしようかと思ったー!」
大樹が、へにょんとその場に崩れてしまった。
それを見て祐輔が笑う。
「指輪まで用意して断られたら、いい笑い者だもんなあ」
「ホンっっとに緊張した! 手術なんかよりよっぽど怖かった!」
「もう怖いモン無しだな。大樹。良かったじゃん」
「うん!」
ふたりの会話を聞いて、あたしは涙を流しながら笑った。
バカだなぁもう、大樹ったら。
あたしが大樹からのプロポーズを断るわけないのに。
「よーし、じゃあこれから急いで結婚式だな」
祐輔の言葉に、あたしは首を傾げた。
結婚式? 今ここで?
「当然だろ? 結婚するんだから。こーゆーのはな、ケジメが大事なんだよケジメが」
「祐輔って、意外と考えが古臭いんだよなー。昔っから」
「うるせ。オレは古き良き固定観念の持ち主なんだよ」
祐輔が笑顔で聞いてくる。
「おい佳那、せっかくの結婚式なんだから、リクエストないか? なんでも言えよ。オレがお前の夢を叶えてやる」