空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
超イケメンで、おまけに優等生な祐輔は大人ウケが非常に良い。
「・・・・・・管理人室のオバちゃん、祐輔に甘いからなー」
「あのオバちゃんは大樹のファンだっつーの。ほら行くぞ」
あたしたちはさっそく中庭に移動した。
他のマンションの住人にバレるとマズイから、コッソリと。
人工池の横に、花壇から摘んだ(住人のみなさん、ごめんなさい)ブーケを手に持って立つ。
そして・・・今、ここに・・・・・・
あたしの隣には大樹が。
向かいには、祐輔がいる。
咳ばらいをした祐輔が、マジメな顔で牧師役を務めてくれた。
滑らかな口調で誓いの言葉を告げる
「新郎大樹、あなたはここに居る佳那を
病めるときも、健やかなる時も、
富めるときも、貧しき時も、
妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
「はい。誓います」
祐輔がうなづき、次にあたしを見た。
「新婦佳那、あなたはここに居る大樹を
病めるときも、健やかなる時も、
富めるときも、貧しき時も、
夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
あたしは深くうなづいた。
誓うよ。心から誓う。
祐輔の友情と、大樹への愛情にかけて誓う。