空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

超イケメンで、おまけに優等生な祐輔は大人ウケが非常に良い。


「・・・・・・管理人室のオバちゃん、祐輔に甘いからなー」


「あのオバちゃんは大樹のファンだっつーの。ほら行くぞ」


あたしたちはさっそく中庭に移動した。


他のマンションの住人にバレるとマズイから、コッソリと。


人工池の横に、花壇から摘んだ(住人のみなさん、ごめんなさい)ブーケを手に持って立つ。



そして・・・今、ここに・・・・・・



あたしの隣には大樹が。


向かいには、祐輔がいる。



咳ばらいをした祐輔が、マジメな顔で牧師役を務めてくれた。


滑らかな口調で誓いの言葉を告げる




「新郎大樹、あなたはここに居る佳那を

病めるときも、健やかなる時も、

富めるときも、貧しき時も、

妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」


「はい。誓います」



祐輔がうなづき、次にあたしを見た。



「新婦佳那、あなたはここに居る大樹を

病めるときも、健やかなる時も、

富めるときも、貧しき時も、

夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」



あたしは深くうなづいた。


誓うよ。心から誓う。


祐輔の友情と、大樹への愛情にかけて誓う。

< 51 / 244 >

この作品をシェア

pagetop