空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
永遠の別離の日
それからの、大樹のいない毎日を、あたしは普通に過ごすことができた。
もちろん寂しくないわけじゃないけれど。
意識して、ことさらに明るくふるまうようにしていた。
そうすることが、大樹を応援することに繋がる気がして。
あたしの元気が、きっと大樹の元気に繋がっている!
そう信じよう!
あの結婚式の日から、あたしの心は強くなれたみたい。
メソメソ泣いてばかりだったあの頃とは、違っていた。
去年、一年生だった時に同じクラスだった友達から、心配そうによく尋ねられる。
「大樹、手術受けるんだって? 大丈夫?」
そのたびにあたしは、笑顔で答えることができた。
「大丈夫。ぜったいに大樹は大丈夫だから心配ないよ」
大樹が帰ってきたら、堂々と笑顔で迎えられそう。
そしたら、たくさんのキスで迎えよう。
大樹の唇の熱さを思い出して、胸がキュンと鳴った。
勝手に顔が赤くなって、歩きながらひとりで照れ照れしてしまう。
モジモジしながら生徒玄関を通り、教室へ向かった。