空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
担任が来るのをじっと待つ間、あたしは窓の外を眺めていた。
・・・ふと、空いた席越しにちょうど窓の外の中庭が見える事に気付く。
そこには一本の大きな桜の木が、薄い花びらを全身にまとって立っていた。
春先の青い空と、柔らかい日差しに照らされたその光景は目も覚めるほどに綺麗で。
あたしのテンションは一気に上昇した。
うわあぁ、なんて綺麗なんだろ!
鼻血くん、早く鼻血止めて戻ってきなよ!
ここの席って絶好のポジションだよ、ラッキー!
あたしは机に頬杖をついて、ニコニコしながら風に揺れる可憐な桜を眺める。
そして自分の隣の席が埋まるのを、静かに待っていた。
だけど・・・・・・
結局彼は、その日は姿を現さなかった。
そして次の日からもずっと学校を休み続けて。
ようやく彼が初登校できた時には、美しい桜は全て散ってしまっていた。