空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

あたしは、ヨロヨロと桜の木に近づく。


威圧的なほど美しい可憐な花。


・・・まぶしく見上げて、軽い目まいがした。


無意識に、細い枝に向かって手を伸ばす。


―― パキン


小さな音をたて、あっさりと枝は折れた。


あたしは枝を払い落とし、別の枝へと手を伸ばす。


―― パキン パキン


次々と枝を折る。


足元に桜の枝が、何本も落ちていく。


桜の悲鳴のような、嫌な音がした。



それでもあたしは枝を折り続けた。


手に痛みを感じたけれど、かまわない。


目に付く桜の枝を、片っ端から折り続けた。



無我夢中で、太い枝にぶら下がるように飛びつく。


抵抗するように枝がしなった。


あたしは全体重をかけ、枝を揺さぶる。


でも、さすがに枝は折れない。


あたしはその枝に咲いている桜の花びらを、乱暴に手でむしり取った。


花は落ち、風に散る。

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