空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

あたしの口から、動物のような呻き声がもれた。


そして花は散り、涙のように宙に舞う。


この枝も、あの枝も、その枝も、あたしは目につく限りの花を両手でむしり取る。


桜は悲鳴をあげ続け、涙を風に散らした。


でも、あたしは聞かない。


聞く耳など、もたない。


そして桜に向かって、ひたすら問いかける。



なぜ? どうして?


なぜお前はここに咲いているの? 



約束は果たされないのに。


お前は、大樹の望みを叶えることはできないのに。



なのになぜ咲くの?


なぜ? なぜ? なぜ?


どうして・・・・・・



「どうしてあんたは、ここでこんなにも咲き誇っているのよ!?」



そしてなぜあたしは、


ここに、こうして立っているの?


大樹のいない、この場所で。



大樹はもう・・・・・・いないのに。

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