人魚と恋
そのあとは適当に何人かと話をしたり歌ったり、楽しんだ。
男性陣がカラオケ代と食事代を出すからとお菓子やピザを頼んで食べたりもして、思っていたよりはずっと楽しかったしお腹も膨れて万々歳だった。
あと30分くらいでお開きかな、と思いながらピザを食んでた時、ふとよしみんの方を見ると司路くんと楽しそうに話してる。それなら航くんは?と思い、周りを見てみると航くんもお菓子を食べながら一息ついてた。
「あれ、航くんあんまり歌ってない?歌った〜?」
航くんは私の方を見るとふっと優しく笑って、結構歌いましたよと言った。
そっか〜なんて言いながら、本当にこの子は大学3年なんだな、高校生とは違うな〜と思った。
「ピザ、好きなんですか?」
航くんが私に向かって言う。私は慌ててなんで?と聞き返した。ピザは好きだけど、そんなに食べ過ぎていたかなと恥ずかしく思った。
「ピザよく食べてるし…お菓子食べる時よりピザ食べてる時の方が幸せって顔してますよ」
「え!あ、そういうかな。
でもピザ食べ過ぎてたかと思ってちょっと焦ったよ〜違っててよかった〜」
私は笑って誤魔化す。当たっているだけに早く違う話題になってほしい。
「そろそろお開きですかね?」
「そうだね〜
いい時間になってきたしね」
私の言葉を聞くと航くんはよしみんと司路くんの方を見た。
「2人楽しそうに話してるね〜
気が合うのかな〜」
私が言うと航くんはまた優しく笑いながらそうだと良いです、ほんと、と言った。友だち想いの人だな、と思ったせいなのか分からないけど何と無く航くんに少し見入ってしまう自分がいた。