人魚と恋
おれは合コンにも一緒に行った友だちの晶(あきら)と遊ぶ約束があって、晶の学校に迎えに行った。
でもなかなか出て来なくて、見覚えのある晶の友だちに晶は?って聞いたらあいつ、教室で騒いでるとか言うから、先生に見つからなきゃ平気だろって思って、なんだかそんな気がして、自分の学校の制服着てんのに忍び込んで、晶の教室まで無事に行けたから安心しちゃって、2人ではしゃぎながら校門まで向かってて、そう、あと一歩のところで後ろから声掛けられて、もう振り向くしかなくて、振り向いたら、あの人がいた。
晶も、おれも、その人も、皆固まって、でも思考はMAXのスピードで色んなこと考えて今に至る。
よし、これは逃げるしかない。
「っせーのーせ!」
おれは晶に向かって叫ぶと走ってそこから駆け出した。
校門出て、少し先の路地に入って、それでもおれは足を緩めなかった。
ふと後ろを見ると晶が必死に追いかけてくるのが見える。その後ろで見えない。
だからおれはとにかく走り続けた。