人魚と恋
スーパー
今日は本当に驚いたな
職員会議も終わり、片付けも終えて、いよいよ帰路につこうとしていた私はそうこぼした。
合コンに来ていた子にまさか私の学校の子がいたとは…
自分が担当の高2には絶対いないから、それに高3は今日まだ全体集会してたから、彼は必然的に高1だと分かる。
きっと彼らも私がここの教員で、合コンに参加したゆうさんだと分かってしまったに違いない。どうしよう。でも、より危機を感じているのはきっと彼らなのだ。ここは、私は何も知らぬ風を装って普通にしていよう。
考え事をしながらも足は自然といつものスーパーに進む。学校からは少し離れているけど破格の安さのスーパーに、たいてい学校帰り寄り、その日の夕食や次の日の食事を調達していた。また、嬉しいことに数年前、スーパーの近くに引っ越してきたのだ。
そうして、いつものようにスーパーに入り、カゴを抱えて野菜売り場に向かおうとした。しかし、足はふと止まる。
いつもは生徒を気にして寄らないけど、今日は凄くお菓子が食べたい。何か特別なことがあった日はよくするように、足は野菜売り場より先にお菓子売り場へと進んだ。