人魚と恋
「なんだよ、
そりゃ来てすぐおれの話しちゃったけど、あんな電話もらってなんだろって気になってるんだぞ?
ここまできたんだし、教えてくれよ」
司路はおれの顔を見た後、頭をかいて、実はさあ、と話し始めた。
「おれ、晶の学校で待ち合わせしてたんだけど、こいつ教室で遊んでてさ、なかなか出てこないでやんの。
だから、おれこの格好のまま、晶の学校に突っ込んでって、教室まで晶を迎えに行っちゃってさ、行きは平気だったんだけど、帰り…」
そこで晶が何か言おうとした。でも司路は手で制止して続けた。
「なんか怖そうな先生に校門ギリギリで見つかっちゃってさ!
もう怖かったからちょー全力で逃げて!
なんだけどビビりすぎて河原まで走ってっちゃったし、先生実は追いかけて来てなかったらしくて、恥ずかしいし焦ったー!つうのを、伝えたくて、つい河原に着いてすぐお前に電話しちゃったんだよな!悪い悪い!本当焦ったからさ〜」
そう話しながら司路はおれの肩をポンポンと軽く叩いた。おれは、まーおれもあの人に会えたからべつになんでもいいけどさーばかだな〜と笑った。
黙っていた晶も
「そうなんだよ、こいつ一瞬おれのこと置いて逃げやがってー!
待てとかもう大丈夫つってんのになーんも聞かねーで走り続けちゃって本当辛かったわ」
と笑った。
そのあと、2人はあーでもないこーでもないと話したあと、3人でゲームして、次の日が休みだったのと小さい頃からよく泊まってたから、その日もおれと司路は泊めてもらうことになった。
夜中中ずっとゲームしたり、くっちゃべったりして起きてたけど、おれは4時くらいに限界を迎えて寝落ちした。
だから2人がそのあとどんな会話してるのか全く聞いてなかった。