人魚と恋

同じ委員のやつだった。

「今日昼会議つってたの、もしかして忘れてた？」

「あ、やべっ」

おれは急いで筆箱と適当な紙を持ってそいつについて行く。教室を出たところで司路に言った。

「本当悪い！委員会忘れてたわ！ごめんな！」

司路はおいー！と教室で言ってた。けど、委員会だから仕方ない。
すまん、司路。



ー委員会に間一髪で間に合い、さくっと終わらせたあとは午後の授業まであまり時間なかったら、呼びに来てくれたやつと途中まで一緒に話しながら教室に戻った。
司路は自分の席で本読んでた。おれは自分の席に座って、次の教科書やらノートやらを出す。その動作は途中で止まった。司路が後ろを向いて話しかけてきたからだ。

「委員会、大丈夫だったか？」

「あ、ああ、全然大丈夫、間に合ったし。
てか今日ごめんな、ちゃんと買えた？」

「あー…それなんだけどさ、
まだだから放課後一緒行ってくんね？」

頼む、という司路の言葉を聞きながらおかしいな、と思った。普段なら1人でさっさと買っておくのに。でも、違和感を感じただけでおれは結局、放課後司路と購買に行く約束をした。