人魚と恋


私が廊下で何人かの生徒と談笑していると校長が横を通り過ぎようとした。

『あー…山村先生?』

私は校長にわざとらしく呼ばれ、振り返った。校長はいやらしそうに言った。

『生徒とあんまり仲良くしすぎるのはだめですよー
自分が教員の自覚を忘れないでくださいね』

私と話していた生徒たちがはあ?とかうざとか、小声で言い始めてきたので私はこの場を悪化させたくなくてそこはもちろんですーと苦笑いしながら言うと、校長は私を舐めるように見てから嫌味たっぷりに

『まあ教師やめるなら好きにしていただいて構わないんですけどね、なんてあはははは』

と笑って自分の住処、校長室にこもった。
普段から嫌な人ではあるけど、あんなに嫌な感じに言わなくても、突然なんなんだろうと思った。
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