人魚と恋
エピローグ
今日から、私は先月結婚した旦那さんと一緒に○○に住む。
やっと引っ越しが終わってひと段落した頃、つけたての固定電話から音がなった。
「はいっ如月です。」
「もう如月じゃないでしょ。」
「航くん!」
電話はご飯を買いに行った旦那さんからだった。
「いまだに慣れなくて…
どうしたの?」
「んー…お弁当なんだけどさ、
確かハンバーグとか大好きだったよね?
ちょうどボリューミーなハンバーグ弁当があるんだけど、赤ちゃんいるときにそんな脂っこいものっていいの?」
「あっどうなんだろう!
ママ友に聞いてみる!ちょっと時間かかっちゃうかも、大丈夫?」
「平気、平気。
住むところまでわがまま聞いてもらっちゃったし、いくらでも待つよ。」
「も〜私もここ来て見て気に入ったから来たんだよ?
そんなに遠慮しないで。
ふ。夫婦なんだし…」
電話越しにも旦那さんが照れるのが分かる。
「じゃあぶらぶらして待ってるよ」
「はーい」
電話を切ると、私は椅子に座って、少し目立ってきたお腹を撫でながらママ友に電話した。
電話のコールを聞きながら窓から見える海を眺めながら。