金木犀のアリア
2話/Memory
ヴァイオリンのレッスンを終え、ビルの入口を出る。
夜風が心地好い。
商店街の角を曲がると、白髭を蓄えた恰幅のよい人形が立っている。
それを横目に、差し向かいの通りに抜ける。
窓に蔓を絡ませた、小さな喫茶店に入る。
鮮やかなブーゲンビリアが、淡い灯りに照らされている。
カウンターの奥の手にアップライトのオールドピアノが、私はここよと主張している。
レッスンの後、いつも一息つく喫茶店。
空調のあまり当たらない席につく。
座る席は決まっている。
ピアノ奏者の表情や指の動きが、1番よく見える席だ。
マスターの妻だというピアノ奏者は、弾き語りもする。
ピアノの腕はイマイチだが、歌の方は味もあるし、胸に染み入る癒し系の歌い方をする。
彼女が十八番に、歌う歌がある。
夜風が心地好い。
商店街の角を曲がると、白髭を蓄えた恰幅のよい人形が立っている。
それを横目に、差し向かいの通りに抜ける。
窓に蔓を絡ませた、小さな喫茶店に入る。
鮮やかなブーゲンビリアが、淡い灯りに照らされている。
カウンターの奥の手にアップライトのオールドピアノが、私はここよと主張している。
レッスンの後、いつも一息つく喫茶店。
空調のあまり当たらない席につく。
座る席は決まっている。
ピアノ奏者の表情や指の動きが、1番よく見える席だ。
マスターの妻だというピアノ奏者は、弾き語りもする。
ピアノの腕はイマイチだが、歌の方は味もあるし、胸に染み入る癒し系の歌い方をする。
彼女が十八番に、歌う歌がある。