金木犀のアリア
水を打ったような静けさに落胆し、詩月が舞台袖に引こうと1歩、足を踏み出した――その時。
静まり返っていた客席から、「ブラボー」低く凛とした声と、一際強く手を叩く音が聞こえた。
詩月は、声のした方に目を向ける。
アランがただ1人、ゆっくりと拍手を送っていた。
アランの拍手に続き、1人、また1人立ち上がり、ゆっくりと拍手を始める。
まばらだった拍手は、しだいに大きくなり、堰を切り怒濤のような歓声が鳴り響いた。
それは詩月の前に弾いた演奏者を、はるかに上回る歓声と拍手だった。
詩月は再度、深く一礼し舞台の袖に引いた。
拍手と歓声は詩月の姿が見えなくなっても鳴り止まなかった。
静まり返っていた客席から、「ブラボー」低く凛とした声と、一際強く手を叩く音が聞こえた。
詩月は、声のした方に目を向ける。
アランがただ1人、ゆっくりと拍手を送っていた。
アランの拍手に続き、1人、また1人立ち上がり、ゆっくりと拍手を始める。
まばらだった拍手は、しだいに大きくなり、堰を切り怒濤のような歓声が鳴り響いた。
それは詩月の前に弾いた演奏者を、はるかに上回る歓声と拍手だった。
詩月は再度、深く一礼し舞台の袖に引いた。
拍手と歓声は詩月の姿が見えなくなっても鳴り止まなかった。