金木犀のアリア
エピローグ
1話/喫茶店モルダウ
数日後。
「ったく、何考えてるんだ!? あの学長は」
詩月は喫茶店モルダウに向かって歩きながら、愚痴をこぼす。
「実に不愉快だ」
話はこうだ。
ヴァイオリンコンクール。
学長は優勝候補と目されていた「安坂貢」と、そのライバルと噂されていた女性奏者を退け、詩月が審査員満場一致で本選を制し、優勝したのを知った。
週明け早々の授業終了後。
詩月は学長室に呼び出された。
「文化祭の演奏だが大学の音楽科、安坂くんとデュエットで1曲どうかね?」
「はぁ?……ピアノでショパンをとおっしゃったのでは?」
詩月は唖然としつつ、聞き返した。
「旬の話題のほうが宣伝効果は上がるものだよ。
ヴァイオリンで1曲、弾きたまえ。
安坂くんには話を伝えておこう」
「お断りします」
詩月は、きっぱりと言った。
「ったく、何考えてるんだ!? あの学長は」
詩月は喫茶店モルダウに向かって歩きながら、愚痴をこぼす。
「実に不愉快だ」
話はこうだ。
ヴァイオリンコンクール。
学長は優勝候補と目されていた「安坂貢」と、そのライバルと噂されていた女性奏者を退け、詩月が審査員満場一致で本選を制し、優勝したのを知った。
週明け早々の授業終了後。
詩月は学長室に呼び出された。
「文化祭の演奏だが大学の音楽科、安坂くんとデュエットで1曲どうかね?」
「はぁ?……ピアノでショパンをとおっしゃったのでは?」
詩月は唖然としつつ、聞き返した。
「旬の話題のほうが宣伝効果は上がるものだよ。
ヴァイオリンで1曲、弾きたまえ。
安坂くんには話を伝えておこう」
「お断りします」
詩月は、きっぱりと言った。